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■ 腸は単なる消化器官ではない!?


 
腸にも脳と同じような機能がいくつかあるため、腸は第二の脳といわれており、すでに30年以上前から神経伝達物質が腸を自律的に動かしていることが証明されています。
 
 
腸内細菌(善玉菌)が減少し、悪玉菌が腸内に増えてしまうと腸内環境が悪くなるため、腸の働きも当然悪化します。
 
 
そうなると血液がドロドロになって血流が悪化するといった具合に様々な健康被害を引き起こす原因となります。
 
 
 
 
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■ セロトニンの分泌量が増えるメリット!


 
また、セロトニンなどの幸せホルモンの分泌(脳が1割に対し、腸は9割)も悪化します。
 
 
これにより、うつ病などの精神疾患を引き起こしやすくなるので、心と体の健康を維持するためにも腸内環境をしっかり整える必要があります。
 
 
セロトニンが増えることによって、以下のメリットが得られます。
 
 
 
 

▼ セロトニンが増えるメリット(1)「気分の安定」


 
セロトニンは、脳内物質の一つで、幸せホルモンとして知られています。
 
 
セロトニンが増えると、ストレスによる様々な症状が抑えられ、気分が安定することが知られています。
 
 
 
 

▼ セロトニンが増えるメリット(2)「睡眠の質が良くなる」


 
セロトニンが増えると、睡眠の質が良くなります。
 
 
日中にセロトニン分泌量が増えると夜間にメラトニンの分泌量が増えます。
 
 
メラトニンには睡眠誘導作用があり、質の良い睡眠に誘導してくれます。
 
 
 
 

▼ セロトニンが増えるメリット(3)「食欲をコントロール」


 
セロトニンは、摂食中枢を抑制し、満腹中枢を刺激することによって、食欲を抑える働きがあります。
 
 
このため、セロトニンが不足してしまうと、ストレスで過食を抑えられなくなってしまいます。
 
 
セロトニンの分泌量が安定すると食欲をコントロールするのが容易になります。
 
 
 
 
 

▼ セロトニンが増えるメリット(4)「痛みを緩和」


 
セロトニンには痛みを緩和する効果があります。
 
 
セロトニンが増えると、痛みを感じる神経の伝達が抑制され、痛みを緩和する効果が得られます。
 
 
しかし、何らかの原因でセロトニンが不足してしまうと、痛みを抑制する働きが低下して、痛みを感じやすくなります。
 
 
 
ということで、今回は腸によって怒りや悲しみといった感情がコントロールされているメカニズムを分かりやすく解説したカラパイアさんの記事を引用させていただきました。
 
 
腸内環境を良い状態に保つための方法を解説した自然治癒倶楽部さんの動画を合わせてご覧ください。



 
あの怒りやあの悲しみ。
脳でなく実は腸が操っていた可能性
(アイルランド研究)

 
 
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■ 人体に良い影響を与える微生物、プロバイオティクスの影響


 
アイルランド、コーク大学の微生物研究家、テッド・ダイナン氏は、プロバイオティクス(体に良い影響を与える微生物)に興味を持ちました。
 
 
「ラボで飼っているラットにそれを飲ませたらどうなるか」という疑問を解決すべくラットにプロバイオティクスを与えました。
 
 
するとプロバイオティクスを日常的に摂取していたラットはうつ病や精神不安になりにくいことが明らかになりました。
 
 
テッド氏と彼の研究チームはこの分野を「サイコバイオティクス」と名付けます。


そして、腸内細菌が人間の脳や行動に及ぼす影響についてより深く研究しました。
 
 
 
 
 
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■ 腸内細菌と精神状態の関連性


 
消化器官と人間の精神状態のつながりはすでに1800年代初頭から指摘されています。
 
 
アメリカの軍医、ウィリアム・ベーモントは、胃液が人間の気分によって変化する事を発見しています。
 
 
そして、1900年代に入ると精神科医や科学者たちは消化器の状態が人間の精神に大きく作用するという結論を導き出しています。
 
 
そして最新の研究では腸と脳をつなぐための「ガット・ブレインアクシス」と呼ばれる複雑な2方向の通信回路が体に存在することが明らかになりました。
 
 
 
 

『 腸内細菌が精神疾患の原因に? 』


 
カナダ、マックマスター大学の神経学者であるジェーン・フォスター氏はこう語ります。


「マウスを使った実験で、腸内細菌が脳の発達に大きな影響を及ぼしている事が最近判明されています。特にストレスや緊張などを司る脳の部位に大きく影響するようです」
 
 
とある研究では腸内細菌などの微生物はうつ病や統合失調症などの精神病を引き起こします。
 
 
人間の前頭葉にある髄鞘(ミエリンとも言い、神経細胞の外側を成す物質である)発達にも影響を及ぼしている事が判明しています。
 
 
 
 
 
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■ 腸内細菌が神経伝達物質を生成する


 
腸内細菌は脳に直接シグナルを発信する事もあるようだ。


一部の腸内細菌は神経伝達物質であるアセチルコリン、ギャバ(GABA:Gamma-Amino Buryric Acid)やトリプトファンなどを生成し、腸内に存在する無数の神経細胞はこれらの情報を受け取り行動します。
 
 
テッド氏が行った研究に使われたマウスは緊張や不安を感じにくく、問題解決も他のマウスに比べて素早い事が分かりました。


また、彼らの脳内には多くのギャバが存在し、これによりうつ病にもかかりにくい事が分かりました。
 
 
 
 
 

■ 腸内細菌を交換すると性格も変わる


 
また、別の研究では二種類のマウスの腸内細菌を交換しました。
 
 
その結果、腸内細菌を分け与えられたマウスは、その腸内細菌の元の宿主と似たような行動をする事が判明しました。
 
 
しかしこういった研究の多くはマウス段階で止まっており、その実験結果がそのまま人間に適用できるのかどうかは残念ながらまだわかっていません。
 
 
 
 

『 緊張や不安を和らげる可能性も? 』


 
サイコバイオティクスはまだ人をベースとした実験が行われていません。


プロバイオティクスが人体において、緊張や不安を和らげる効果があると言う研究結果は報告されているものの、人体実験を得られていないため、その裏付けは証明されていません。
 
 
しかし、だからといって「嘘である」とは一概には言えません。
 
 
食生活を変える事で腸内細菌が変わるのは良く言われている事ですが、食べるもので腸内細菌の働きがどう変わるのかも今後の研究如何です。
 
 
 
 

『 腸や腸内細菌はまだまだ未解明な点が多い 』


 
特定の疾患や病気を持っている人には特定の細菌が住み着いているようなんですが、その細菌が病気を引き起こしているのかどうかはまだわかりません。


この分野は現在、良いデータが集まってきているものの、まだ未解明の部分が多いです。
 
 
米カリフォルニア大学デービス校のジョナサン・エイサン教授によりますと、「腸の中のどの微生物がどういった役割を果たしているのかを理解することはとても重要だが、腸内の微生物のサンプリングは非常に困難であり」と語っています。
 
 
食事内容を変えると腸内の微生物にも変化が起きる、という事実はわかっていますが、腸内フローラを人体にとってどう有効に活用させるかどうかも不明です。
 
 
 
 
【出典】 カラパイアさん
 
【出典】 FiveThirtyEight
 
【画像】 Pinterest
 
【動画】 自然治癒倶楽部
 
アトピー性皮膚炎の原因は腸内環境を疑え!
 

 
 
 
 

■ 感情は「腸」にコントロールされていたのまとめ


 
最後までお読みいただきありがとうございます。
 
 
腸は第二の脳といったことが言われていますが、腸は脳のボスといったほうがしっくりきます。
 
 
腸の状態が悪いと自律神経が乱れて様々な体調不良を引き起こしますし、イライラしたりするなど感情のコントロールが難しくなります
 
 
ですので、仕事や勉強で良い結果を出し続けるために常に脳を良い状態に保つためにも腸内環境をしっかり整える必要がありそうです。
 
 
 

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