
■ 認知症を予防する対策が急務!?
少子高齢化が叫ばれだしたのが1990年代頭くらいでしょうか、その当時よりも今現在我々日本人の平均寿命が伸びているので、役人や政府が想定していた以上に65歳以上の高齢者の方が増えています。
長生きすることは素晴らしいことですが、問題となるのが加齢にともなう「認知症」です。
厚生労働省のデータによりますと、1995年には126万人だった65歳以上の方の高齢者の認知症患者が20年後の2015年には2倍の262万人に達しています。
2025年くらいまでは右肩上がりで増えることが予想されます。
介護施設はどんなに増やしても追いつきませんし、病院では認知症患者の数が増えたため、治療や身の回りのケアなどに看護師さんが取られてしまうので、他の業務をこなすのが大変厳しい状態です。
■ 介護業界は人手不足が危機的状況に!
こうした理由から年々人手不足が深刻化しています。
介護関連の資格は人気が高い割に、資格を取得しても、実際に働く人は少ないです。
このため、高齢者の心と体の健康を維持するうえで認知症を予防するための対策がどうしても必要です。
ということで、今回は順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授 白澤卓二先生による認知症予防対策をまとめたPRESIDENT Onlineさんの記事と動画を合わせてご紹介させていただきます。
100歳までボケない
最新の認知症対策とは

■ 4つの習慣で長寿遺伝子をオンに!
ボケの兆候は40代後半から見られることが最近わかってきました。
45歳から70歳のイギリス人公務員(男性5198例、女性2192例)を10年間観察し、この研究で調べた認知機能は、以下の5項目です。
【研究で調べた認知機能】
(1)推論能力
(2)記憶力
(3)音声の流暢性(Sではじまる単語をできるだけ書き出す)
(4)語義の流暢性(例えば動物の名前をできるだけ書き出す)
(5)ボキャブラリー
■ 生活習慣を改善する!
10年後、各年齢層でボキャブラリーを除くすべての認知機能スコアが低下していることが確認されました。
ボケの主な原因は加齢です。
裏返せば、老化の進み方をできるだけ遅くすればボケは起こりません。
それを可能にするのが「長寿遺伝子」です。。
長寿遺伝子は誰でも細胞内に持っているが、常に活性化しているわけではありません。
長寿遺伝子のスイッチをオンにするには「食事」、「運動」、「睡眠」、「ストレス」対策の4つから生活改善を図る必要があります。

■ ボケないための理想的な食事とは!?
食事はまずカロリー摂取を抑える「腹七分目」が基本。特に血糖値を急上昇させる糖質を減らすことを心がけます。
血糖値が安定しないと空腹を感じて食べすぎてしまうからです。
理想的な1日の食事を紹介すると、朝は食事代わりにミックス野菜ジュースを飲みます。
アメリカの調査では、週に3回以上ジュースを飲む人はアルツハイマー病の発症率が76%も低下するという結果が出ています。
私自身も毎朝、自家製のミックス野菜ジュースを飲んでいます。
複数の野菜をなるべく皮ごとミキサーにかけ、10分程度でつくります。
市販の野菜ジュースを飲む場合は、コーンシロップなどの糖分が入っていないことを成分表でチェックしましょう。
■ 高齢者が炭水化物を制限するメリットとは?
ランチは麺類、カレーライス、丼ものは避け、豆腐や卵料理などお惣菜中心の定食を選ぶようにします。
夜はステーキや魚料理で良質のタンパク質を摂り、お酒を飲むなら赤ワインにします。
赤ワインに含まれるレスベラトロールは、長寿遺伝子をオンにする効果があるからです。
このような炭水化物を制限した食生活を8人のモニターに3週間続けてもらったところ、全員の体重が減り、血液中のケトン体が増加した。ケトン体は長寿遺伝子のSIRT3がオンになると分泌され、これが増えるほど“糖質依存”から脱け出せたことになります。

■ ボケないための理想的な運動とは!?
運動は1日15分を目安にします。
私がよく指導するのは、電車の乗り換え時間です。
できるだけ速く歩き、階段を上り下りします。
社内での移動も階段を使いたい。
デスクに座りっぱなしの人は、イスの上に置く小さなバランスボールがおすすめだ。
その上に座るだけで腹筋や背筋、インナーマッスルが鍛えられ、正しい姿勢が保たれます。
■ ボケないための理想的な睡眠とは!?
睡眠は、時間だけでなく「眠りの質」を意識する。
深い眠りの「ノンレム睡眠」で活発に分泌される成長ホルモンは、傷ついた細胞を修復し、炭水化物やタンパク質、脂質の代謝を促す働きがある。
昼寝も効果的で、30分以内の昼寝をする人は、アルツハイマー病の発症率が昼寝の習慣がない人の6分の1という研究結果もある。
■ 笑うことが最高のストレス解消法!
仕事でストレスを感じたときは、思いきり笑おう。
よく笑う人はストレスを溜め込まないというのは医学的にも説明できる。
長く走っているとランナーズ・ハイになるのはよく知られるが、それは肉体的な苦痛をやわらげ、楽しさが増すβエンドルフィンが脳内で分泌されるから。
笑ったときも脳内でβエンドルフィンが分泌される。
しかも「つくり笑い」でも同じ効果が得られるのだ。
「仕事か、健康管理か」と考えると、仕事で忙しいときに健康管理がおろそかになる。
健康管理、体重管理は仕事や生活の一部だと思って継続してほしい。
【出典】 PRESIDENT Onlineさん
【画像】 Pinterest
【画像】 wikiHow
【動画】 脳栄養 l 腸内環境
認知症治療 l 認知症予防
■ 100歳までボケない最新の「認知症対策」に関するまとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
ここ20年くらい生活様式が劇的に変化したため認知症は高齢者だけのものではなくなりつつあります。
スマホ認知症が社会問題になっているので、今回ご紹介させていただいたことは20代、30代の若い世代の方々にも知っていただきたいです。