
■ 受けたダメージに比例して嫌な記憶が鮮明に
仕事の失敗や失恋、何か気分を害するような嫌な出来事、はたまた腹立たしい出来事に遭遇した経験が生きていれば誰でもありますよね。こうした自分にとって望ましくない嫌な出来事は一度脳に記憶されると何度も脳内で再生されては落ち込むことになります。
人よっては、数ヵ月、数年以上も前の出来事がまるで今さっき起こったかのように記憶が蘇り、その当時よりも大きな怒りに襲われて苦しめられる、なんてケースも実際に少なくありません。
残念ながら受けたダメージが大きければ大きいほど脳に鮮明に記憶されてしまいます。
■ 嫌な記憶はなぜ消えないのか?
あなたの周囲にも一人、二人いませんか?、昔のことを今さっき起こったかのように突然怒り出す人、自分には全く関係ないことなのに怒りに満ちた声で聞かされると、まるで自分が怒られているみたいなので、聞かされる方は、たまったものではありません。
よく嫌なことは吐き出した方がいいといったことが言われますが、友人や知人に嫌だったこと辛かったことを言っていいのは、一回だけで、それ以上言うと脳への記憶がより強化されてしまうので、何度も脳内で再生され続けてしまいます。
ですので、嫌な記憶は消えないんです。そしてすでに記憶されてしまった嫌な出来事というのは、思い出さないようにしようとすればするほど、より忠実に嫌な記憶が脳内で再生されてしまいます。
こうしたトラウマのように長期間にわたって脳にこびりついている嫌な記憶を素早く忘れ去る方法を今回樺沢紫苑先生の動画とともにご紹介させていただきます。
■ なぜ脳は嫌な思い出を突然思い出すの
どんないやなことでも放っておけば大抵一旦は忘れることができます。逆に嫌な記憶を忘れない確かな方法があります。
どんな難しいことでも2週間のうちに3回復習すると忘れにくいとされていますので、2週間のうちに3回嫌だった記憶を思い出せば嫌な記憶は嫌な記憶のまま脳にしっかり記憶されてしまうんです。
時がたてば一旦忘れますが、何かの拍子で嫌な記憶が脳内でドラマの再放送のように再生されてしまいます。
これが脳が勝手に嫌な思い出を突然思い出させる仕組です。
ですので、こうした脳に記憶されるメカニズムをしっかり理解すれば、取るべき行動は限られます。つまり、嫌な体験や出来事を覚えないようにすればいいんです。
「自分から嫌な記憶を覚えようなんてしてないよ」と思われたかもしれませんが、無理して忘れようとすると記憶が強化されてしまうので、結果的に嫌な出来事を意識して覚えようとしているのと同じことになってしまうんです

■ 嫌な記憶は忘れるのではなく、脳内で繰り返さないと意識する!
嫌な記憶を何度も思い出すこと以上に嫌な記憶をより強固なものにしてしまうのが、「人に話す」です。
樺沢先生の例では失恋された女性が友人に辛い近況を長々と話し続けてしまうことによる問題点が指摘されています。
確かに話し終えた瞬間は、とりあえず気分はすっきりしますよね。しかし、それはあくまでもその場限りのことです。大抵の女性は失恋によるつらい状況から抜け出せないまま、また別の日に別の友人に失恋話をします。
人に話してスッキリするのは1回だけにとどめてください。それ以上すると嫌な記憶が強化されてしまうので忘れたくても忘れられなくなります。
脳内で嫌な記憶が再生されないためにも、嫌な記憶を繰り返し再生させて、その中に入り込まないと意識しましょう。
嫌な記憶が再生されるのは、あなたの意思ではなく脳が勝手に行っていることです。
それに対してあなたが嫌な気分になったり落ち込んだりすると吸血が生き血を吸って生き長らえるように、脳の一部の血流が良くなってエネルギーが得られます。
つまりアナタがネガティブになればなるほど脳が喜んでしまうわけですから、この流れを止める必要があります。
■ 喋れば喋るほど嫌な記憶が強固になる!
先に述べましたが一般的に悩みや嫌な出来事は話すことで楽になると思われがちですが、何度も繰り返すのは逆効果です。
繰り返しになりますが話すことでストレス(嫌な記憶による)発散になるのは、たった1回だけです。
1回だけわ~っと話すだけ話して気分がすっきりすれば、時が経つにつれて忘れ去ることができます。
しかし、多くの方が2~3回と別の機会を探しながら話してしまうので記憶が明確になり、いつまでも記憶によって感情が揺さぶられてしまうので、つらい状況が続きます。

■ 愚痴や悪口を言い続けれると嫌なことがより引き寄せられる!
こうした理由から愚痴は言わないほうが本当はいいんです。言えば言うほど記憶が強化され、しかも愚痴を言いたくなるような現実を引き寄せてしまうからです。
仕事で失敗して、上司に散々絞られて落ち込んでいるときは同僚と飲みにいって「わ~」っと話す。そして、次の日からは一切その話題をしないとすれば、嫌な記憶に振り回されなくてすみます。
話せば楽になれると思われがちですが、嫌だったことを話すことというのは自分で自分(脳に)にどうやれば嫌な気分になり続けることができるか教えているようなものです。
脳は「愚痴をいうのが楽しいんだ」と勝手に思い込んでしまうので、嫌な記憶がより強固になってしまうわけです。
しかも愚痴を繰り返しているうちに嫌な出来事を引き寄せてしまうので、さらに愚痴りたくなるようなことが増え続けてしまうので注意が必要です。

■ 嫌な記憶を簡単に忘れる方法!
これから先も嫌なことは必ず起こると思いますが、そうした場合人に話すのは1回だけにする。もしくは紙に書いて破り捨ててください。
それが終わったら、あとは放っておくようにしましょう。
もし嫌な記憶が蘇ってきたら、「また嫌な記憶に入り込んでいたことに気づけて最高!」と、笑顔でガッツポーズしながら言ってみてください。
気がついたら言う、気がついたら言う、気がついたら言う、を繰り返しているうちに思い出さなくなります。
逆に頑張って「忘れよう」としたり、「絶対に思い出さないぞ」、「考えるな」といって、嫌な記憶を意識して排除しようとすると、脳がその姿を嘲笑うかのように嫌な記憶を再生し始めます。
そして、「また思い出してしまった。自分て本当にダメだな」と自己嫌悪に陥ってしまいます。
ですので、ちょっと馬鹿っぽい、このやり方の方が嫌な記憶から離れることができます。
この方法にプラスして、楽器を弾いたり絵を描いたりといった手を感覚的に使う趣味に没頭するとさらに嫌な記憶に振り回されなくなりますので、一日のうちに自分の好きなことをやる時間を設けてください。
いきなり何時間もやろうとする必要はありません。最初は5分から始めると長期間続けることが容易になります。
3週間もすると家に帰って自分の好きなことに没頭するのが待ち遠しくなりますので、是非一度ためしてみてください。
【画像】 wikiHow
【動画】 精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル
「嫌な記憶を忘れる方法」
■ 嫌な記憶を消す簡単な方法!のまとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
嫌な記憶に対して無理に抵抗するとさらに鮮明に再生されてしまい、嫌な記憶の中に入り込んでしまいます。
そのまま放置すると嫌な記憶がループして他の嫌な記憶が再生されてしまうので、嫌な記憶が再生されたら抵抗するのではなく、すぐに抜け出すことを上述した方法で心がけてください。
抵抗するのではなく、さっとスルーすることができるようになると本当に心が楽になります。
それだけで嫌な記憶に対するストレスは大幅にへることでしょう。記憶力がいいのは仕事や勉強する上では非常に大切ですが、どうでもいいことまで記憶してしまおうとすると苦しくなります。
繰り返しになりますが何度も嫌なことを思い出しては人にベラベラしゃべるといったことを繰り返すのは嫌な記憶を復習しているようなものです。
自分から手放すことを意識しないと嫌な記憶が永遠にくりかえされることになりますので、注意して下さい。