
糖尿病の方の食事
糖尿病の方の食事というと、「あれもだめ、これもだめ」といった具合に厳しい制限が設けられているイメージがありますよね。しかし、最近はかなり緩和されてきています。
薬物療法と運動療法をバランスよく取り入れることによって、ほぼ健康な人と同じような食事を取ることが認められている病院も少なくありません。
また、糖質制限を行なっている病院では、肉や魚も一定の条件に従えば普通に食べていいので、昔ほどは神経質にならなくてもいいようです。
糖尿病の人は、食事の時にどんなことに気をつければよい?
糖尿病のかたが特に気になることの一つ、「食事」について。糖尿病のかたは、食事の際にどのようなことに気をつければよいのでしょうか。
詳しい話を医師に聞いてみました。
Q1.糖尿病とは?
食事で食べた炭水化物は消化管で糖に分解され、小腸で吸収され血液中に移動します。それによる血糖値の上昇を感じ取って、インスリンというホルモンが膵臓から分泌されて、
そのホルモンの影響で様々な細胞が血液中から糖を盛んに取り込むことで、血糖値を下げています。
糖尿病では、このインスリンの分泌が少ない、あるいは肥満などによりインスリンが出ていても効きが悪くて血糖値が高い状態が続いてしまいます。
血糖値が高い状態が続くと、下記のような合併症を引き起こしてしまう可能性があります 。
・動脈硬化
・脳梗塞
・心筋梗塞
・眼や腎臓、神経への障害 など
Q2. 糖尿病のかたが食事の際に気をつけれたいことは?
・カロリー
1日3食バランスよく食べて、1食のカロリーが多くなりすぎないようにしましょう。特に夕食を食べすぎてしまう方が多いですので注意してください。
またトータルのカロリーも控えめにしましょう。多くとりすぎたカロリーは脂肪として蓄積されて、インスリンの効き目を下げてしまいます。
・全体のバランス
炭水化物や糖質は血糖値をあげる効果があるため控えるようにしましょう。とはいっても、タンパク質や脂質のみですと体の調子に支障をきたすことがあります。
また、タンパク質のとりすぎは腎臓に負担をかけたり、脂質のとりすぎは脂質異常症の原因となるので、全体的にバランスよく抑えることが大切です。
・ゆっくり食べる
食事をゆっくり食べることで、早めに満腹感がえられて、トータルの量が抑えられるのみならず、血糖値の上昇をゆっくりにさせることができます。
・食後の軽い運動
血糖値が上がる食事後~2時間後に軽い運動をして、上昇してきた血糖を筋肉で使うようにしましょう。
お勤めの方法は、昼休みの終わりにはエレベーターではなく階段を使う、などが良いと思います。
Q3. 糖尿病のかたが摂取したい、または避けたい食べ物は?
GI値(グリセミックインデックス)の低い食事を心がけましょう。GI値の低い食事ほど、吸収がゆっくりで血糖を急激に上げにくいとされています。
主食の中では
○白米より玄米
○食パンよりライ麦や全粒粉のパン
○うどんよりそばやパスタ
のほうがGI値が低いとされています。
より精製しているもの、白いものはGI値が高いと考えると覚えやすいですね。デザートでは、砂糖の量が少ないものを意識しましょう。
甘いものではなく、フルーツやビターチョコレートなどにするというのもいいですね。
主食の前に野菜などの食物繊維をとることも血糖値が急激に上がるのを防いでくれます。
最近はやりの「糖の吸収をゆっくりにする」特定保健用食品(お茶など)は、血糖値の急激な上昇を防ごうとする水溶性の食物繊維が入ってます。
ちなみに、「糖に効く」というのは、吸収をゆっくりにするだけで、食べたのをなかったことにするわけではないので、食べる量には気を付ける必要があります。
糖尿病はメタボリックシンドロームの一翼を担っており、高血圧や脂質異常症などをお持ちのかたも多いと思います。
それぞれ塩分控えめや、コレステロール・中性脂肪の量を気を付けることが必要な病気となります。
【医師からのアドバイス】
現在糖尿病の薬をもらっている方、特にインスリンを打たれている方は、急激な食事習慣の変化で血糖が下がりすぎる可能性がありますので医師と相談して食事を徐々に改善していきましょう。
薬を飲んでいない方、境界型糖尿病(いわゆる糖尿病予備軍)といわれている方は、ここにかかれていることを取り入れて血糖値をあげすぎない食事を心がけましょう。
糖尿病の危険性が指摘されていない方でも、低GI値の食品などは腹持ちがいいため、ダイエットにも適しています。是非参考にしてください。
(監修:Doctors Me 医師)
【出典】
【出典】 Doctors Me
【画像】 We Heart It
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