
■不安定狭心症とは?
日本では年間およそ5万人の方が突然死で亡くなっているといわれていますが、狭心症もその予備軍といえます。狭心症は何の前触れもなく突然胸に発作が起きます。
圧迫感や締め付けられるような鈍い痛みがあります。今回のテーマは不安定狭心症です。
狭心症は大きく分けると「安定狭心症」と「不安定狭心症」の2つに分類されます。
前回は安定狭心症についてお話しました。今回は不安定狭心症についてお話します。
出典:「健康ぷらざ」
■不安定狭心症とは?
不安定狭心症の仕組みをご説明させていただきますと、高血圧や糖尿病、高脂血症などによって血管の壁に傷が付いて、そこに悪玉コレステロールが入り込んできます。
この悪玉コレステロールがたまると、プラークと呼ばれる動脈硬化の巣ができます。
そのプラークが破れて出血すると血管の中に血栓という血の塊が出来ます。
この血栓によって血管内が狭くなり、血液の流れは悪くなって不安定狭心症となります。また、その血栓が大きくなって血管が詰まってしまった状態が急性心筋梗塞です。
この2つはいわゆる血栓で基本的に血管が詰まりかけているか、詰まってしまったかの差しかないことから、まとめて「急性肝炎症候群」と呼ばれています。
ここで不安定狭心症の恐れはないか、発作の症状をチェックしてみましょう。
(1)今までは発作がなかったのに、
新しく起こった。
(2)以前から時々発作はあったが、
回数が増えた。
(3)発作の痛みが強くなった。
(4)発作の時間が長くなってきた。
(5)以前は問題なかった軽い運動や
安静時に発作が起こるようになった。
これら五項目のうちどれか一つでも当てはまる場合は不安定狭心症の可能性があります。進行するのを防ぐためにも、できるだけ早く診察を受けるようにしてください。
■不安定狭心症の検査と治療
不安定狭心症は心筋梗塞になる可能性が高いことから、薬による治療だけでは不十分です。一刻を争うので緊急で「心臓カテーテル検査」を受ける必要があります。
心臓カテーテル検査とは「カテーテル」と呼ばれる1.7ミリの細い管を動脈から入れて心臓の血管の状態を直接映し出すことが出来るので、モニターを見ながら検査します。
これにより血管の狭さの程度やどこの場所が悪いのかがはっきりと目で確認できます。
また、麻酔は局所麻酔なので意識はしっかりしており、医師と患者さんが会話をしながら
検査は行われます。そして、カテーテルの治療には三種類の治療法があります。
血液の流れを改善するために風船のようなもので、血管を広げる風船治療や血管が硬くなっている場合に用いる「ロータブレーター治療」といった治療法もあります。
一般的には金網状の筒のようなもので血管の内側から押し広げるステント治療が用いられます。過去数年間において狭心症の治療としてのカテーテル治療は飛躍的に進化してます。
しかしこの治療は血管の局所に行う治療であり、血管全体を治療するものではありません。
将来別の部分に動脈硬化の病変ができた場合は、再度治療を受ける必要があります。
したがって、狭心症の治療が終わっても軽い運動を取り入れたり、健康的な食事を心がけ
るなど、生活習慣を見直し、動脈硬化の進行を防ぐ努力が必要です。