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■ 統合失調症とは?
 
 
統合失調症は、現実と区別がつかないレベルの幻聴や幻覚、妄想、興奮などの症状のほかに、やる気の低下や感情の起伏の喪失、引きこもりといった、幅広い精神症状を呈する病気です。統合失調症は10代から30代に多く、今現在120人に1人の割合で発症しています。
 
 
すでに統合失調症患者は100万人以上に超えているので、誰もがない得る病気です。ちなみに統合失調症の平均発症年齢は男性が27歳、女性が30歳となっています。残念ながら統合失調症の原因は依然として解明されていません。
 
 
統合失調症を放置すると症状の悪化が進み、患者本人だけでなく、周囲の人を巻き込んで日常生活に障害をもたらす可能性があるので、できるだけ早い段階で医療機関を受診することが大切ですが、本人は正常だと思い込んでいるため、受診させるのも容易ではありません。



 

 
なぜ統合失調症の症状を放置してしまうのか!?
 
 
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■統合失調症の特徴とは?
 
 
統合失調症は、10歳代から30歳代に発症することが多い病気で誰でもかかる可能性があり、統合失調症は100人に1人ぐらいの割合で発症すると言われています。特徴的な症状としては、誰もいないのに声が聞こえてくるといったような「幻聴」です。
 
 
また、自分の「悪口を言われている」、「悪く思われてる」、「誰かに追われている」といったような被害妄想です。軽く否定すると激怒されてしまうケースも多いので、周囲の態度が妄想に近づいてしまい、余計に症状を悪化させてしまいます。
 
 
 
『 統合失調症の治療に光明? 』
 
 
これまで統合失調症の完治につながる決定打となる原因は明らかになっていませんでした。このため元来の素因や様々なストレスなどが統合失調症の発症の引き金になってるというふうに考えられていました。
 
 
しかし、2013年に滋賀県立成人病センターの谷垣健二専門研究員や米国ジョンズ・ホプキンズ大の澤明教授らの研究グループによって、統合失調症の患者は一般の人と比べて、ケモカインが減少していることが判明しています。
 
 
ですので、今後統合失調症の治療が劇的に進化する可能性がありますが、現時点では10代から30代の思春期から青年期の方々が発症することが多いといわれていまして、早期に発見して治療するということが重要というふうに考えられています。
 
 
 
 
 
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■統合失調症の症状とは?
 
 
統合失調症の症状は大きく分けて陽性症状、陰性症状、認知機能障害に分けられます。特徴的な症状が色々と現れる急性期には「陽性症状」が多く見られ、実在しない人の声が聞こえるなどの幻聴、被害妄想、不安定な感情などが起こります。
 
 
急性期の症状が治まってくる回復期には陰性症状が多く見られます。社会的ひきこもり、意欲低下、無関心などで。急性期から回復期を通して見られるのは認知機能障害です。
 
 
認知機能障害の主な症状としては、記憶力、作業速度の低下、注意、集中力の低下などです。もし以下のような症状があれば、できるだけ早い段階で精神科を受診する必要があります。
 
 

(1)被害妄想
(2)考えがまとまらなくなる
(3)幻聴・幻覚
(4)行動障害
(5)感情の動きが乏しくなる
(6)意欲がなくなる
(7)自分の殻に閉じこもりがちになる
(8)自分のことを自分でやっているという感覚に乏しい
(9)仕事や学習能力の低下
 

 
 
 
 
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■ 統合失調症の治療
 
 
発症したてのころは患者さんご本人が病気であるという自覚がなく、病院に来ることを拒否されることもよくあります。ただしそのまま放置するわけにはいきません。
 
 
どんなに頑なに拒否しても、患者本人が困ってることが多いので、なるべくご家族の方に説得して頂いて、受診することが大切なのですが、それでも難しい場合があります。
 
 
そうした場合は保健所や近くの病院に相談して受診につなげていく必要があります。幻聴ですとか被害妄想などは薬物療法を中心に行われます。
 
 
 
 
『薬物療法の現状とは?』
 
 
以前は薬の副作用ですとか、飲み心地の悪さなどに困っていた患者さんも多かったのですが、最近の新しい薬では、そういった問題は大幅に改善されています。認知機能障害に関しては、心理社会的なリハビリテーションを中心に治療を行います。
 
 
認知機能障害は統合失調症の特徴的な症状の一つですが、統合失調症以外にも、うつ病ですとか、躁うつ病など、ほかの精神疾患でも見られることがよくあります。
 
 
 
 
 
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■日常生活での注意点
 
 
認知機能障害は読書やテレビに集中できないなど、集中力が低下し、車の運転のなどで注意力が散漫になり、事故を起こしたり、道に迷ったりするので注意が必要です。
 
 
また、発症前より新しいことを覚えるのに時間がかかり、物事への反応が遅くなりますので、どうしても多方面にわたって日常生活に支障をきたす可能性があります。
 
 
例えば同時にいくつかの仕事を頼まれたときに、どこから始めればよいか判断できず、結局どの仕事も終わらないということが度々起こるようにます。
 
 
 
 
 
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■ 社会復帰も十分可能!
 
 
認知機能障害のリハビリテーションでは、「注意力」や「記憶力」、そういったものに焦点をおいたパソコン・ゲームを用いて、週に二回か三回ほど受診します。そして、半年間にわたって認知機能障害のリハビリテーションを行っていきます。
 
 
認知機能リハビリテーションを受けた方と受けなかった、これらを比較した場合、認知機能リハビリテーションを受けた方のほうが当然認知機能の改善度は大きいです。
 
 
 
『 認知機能リハビリテーションの技術が飛躍的に向上! 』
 
 
そして、認知機能リハビリテーションの技術が過去10年で飛躍的に向上したため、実際に認知機能リハビリテーションを受けていただいた方で発症から10年以内の方と10年以上の方を比較した場合、前者の方が圧倒的に改善度が高いです。
 
 
ですので、統合失調症を発症したら、できるだけ早い段階で治療を開始して、効果的な薬物療法や質の高いリハビリテーションを受けていただくことが非常に重要です。そのためには周囲の寛容なサポートが不可欠です。
 
 
そうすることで効果的なリハビリテーションを受けて進学、就職、結婚など「社会復帰」を目指していくことが十分可能となっています。
 
 
 
 
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【画像】 wikiHow
 
【動画】 精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル
 

 
「 統合失調症の本当の苦しみとは 」