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■貧血とは?


貧血とは、何らかの原因があり、生体内でヘモグロビンの合成に不可欠な鉄が欠乏し、ヘモグロビンの合成が十分に行われないために起こる症状です。


人間は鉄を作り出すことはできないため、食べ物から鉄分を補給することが必要です。



成人男性で毎日約1mgの鉄が失われますが、通常摂取された鉄は約10%が吸収されますので1日約10mgの鉄を摂取しなければいけません。


また女性の場合には月経による出血によって、1日平均2mgを失われてしまうので、1日20mgの鉄を摂取しないと必然的に鉄の不足状態に陥ります。



鉄欠乏性貧血は日常最も起こりやすい貧血で貧血の90%以上が鉄欠乏性貧血です。



なお、血液の中には赤血球があり、その中に含まれるヘモグロビンは体中に酸素を運ぶ重要な働きがあり、男性の0.5%女性の12.7%が鉄欠乏性貧血とされています。



出典:「新宿駅前クリニック 内科」












■貧血の原因とは?


鉄欠乏性貧血の原因は以下のとおりとなっています。


(1)食事からの鉄の摂取不足の場合

(2)消化管からの鉄吸収障害で供給量が不足した場合

(3)妊娠による鉄の需要量が増えた場合

(4)消化管出血や月経過多により、鉄の喪失量が増えた場合


原因がはっきりしている場合は、その原因となっている病気の治療をします。





■貧血の症状とは?


貧血による組織への酸素供給量の低下を補うために心拍数の増加による動悸、息切れ、
疲れやすい、だるい、むくみ、立ちくらみ、頭重感、顔面蒼白などの症状が見られます。


その他に爪がスプーン状になったり、口内炎、舌炎などの症状が起こることもあります。


なお立ちくらみ、いわゆる脳貧血は酷い貧血の場合も起こります。


その大部分は自律神経機能の低下によって、下半身の血管が収縮しなくなることのより、上半身が「血液不足」になって脳に血が回らないために起こります。


貧血は徐々に進むことが多いため、ヘモグロビン 7g/dlくらいまで減少していても体が順応してしまい、貧血症状が見られないこともあるため、注意が必要です。





■貧血の検査とは?


血液検査を行います。治療開始後一ヶ月に一度くらいの頻度で血液検査をします。





■貧血の診断とは?


鉄欠乏性貧血の診断基準は以下のとおりとなっています。


(1)血液検査でヘモグロビンの値が低い

(2)血清鉄の値が低い

(3)総鉄結合能(TIBC)の値が高い

(4)貯蔵鉄の指標になる血清フェリチンの値が低い


高齢者であれば消化管出血を疑い、便潜血検査や内視鏡を行うこともあります。





■貧血の治療法とは?


薬物療法が中心になります。錠剤の飲み薬を一日100mgから200mg前5分内服します。鉄剤を服用すると便の色が黒くなりますが、心配はいりません。


また、副作用として吐き気などの胃腸障害がよくありますが、続けていくうちに症状が軽減されます。なお、お茶に含まれているタンニンは鉄と結合して鉄の吸収を妨げますが、日常生活の中で普通に飲んでいる程度では問題ありません。





■貧血の予防法とは?


治療効果はまず血清鉄が上昇し、網赤血球が一週間後から増加して、続いて1日平均0.1~0.2g/dlのペースでヘモグロビンが上昇します。


貯蔵鉄が完全に正常になるまでには3~4ヶ月前後はかかることから、血清フェリチンの値が上昇し、かつ数値が安定するまで治療を続ける必要があります。


状況によっては一年間ぐらい飲み続ける事もあります。





■貧血の注意点とは?


鉄剤の内服と同時に食事療法を併用することは大切ですが、食事療法だけでは足りなくなった鉄を補充するのは不十分です。鉄剤は通常100~200mgを服用しますが、


鉄分が最も多いレバーでも一食分50gの鉄の含有量は6mgに過ぎませんので、鉄剤の内服が必要になり、貯蔵鉄の状態を見るには血清フェリチンの値の測定を行います。


フェリチンの値が20ng/dl以上であれば、貯蔵鉄が十分に補充されたと判断して鉄剤投与の中止を検討します。貯蔵鉄を十分回復させても、鉄の喪失の原因が続いている場合は再発するので、半年後には一度フェリチンを含めた血液検査をして確認します。


鉄剤の服用にあたり空腹時の投与が吸収の点では優れていますが、鉄剤には胃腸障害、吐き気、おう吐、下痢などの副作用があるため、食後すぐ又は食事中の服用しましょう。


内服を継続できない場合には静脈注射で鉄を補充することもあります。