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■今回のテーマはCOPDの病態


今回は「OPDの病態」がテーマです。


COPDが咳、痰、息切れを主な症状とする
肺の炎症性疾患で、大変怖い病気です。


COPDは軽症のうちは患者さんが加齢のせい
と誤解するなど、病気と気づかないことも
多いため、治療開始が遅れがちなCOPD。


しかし、COPDは重症化すれば咳や痰、
そして、体の動きに伴う息切れによる
苦しさが続き、行動を制限されるなど、
日常生活に支障をきたします。


現在、日本人の死亡原因の第9位いである
COPDは未診療の方も含め、日本国内の推定
患者数は500万人とされています。


今回はCOPDの病態について解説しています。



出典:「日本ベーリンガーインゲルハイム」












■COPDの原因とは?


COPDを引き起こす最大の要因とされている
のが煙草の煙等の有害物質です。


その他大気汚染や職業歳の粉じん、
化学物質などの暴露も原因となります。


COPDではこれらの有害物質の吸入により、
気道、肺胞、肺血管に炎症が起こります。


この炎症は長期間の喀痰症状や気腫化を
もたらし、禁煙しているにもかかわらず、
持続することがあります。




■COPDの病態とは?


COPDを患っている患者さんの気道では、
「免疫分泌」が過剰になります。


有害物質が気道炎症を起こしてしまい、
杯細胞と気管支粘膜下腺の造成が生じます。


これらの気道分泌細胞からはルチンと
呼ばれる糖たんぱくが放出され、免疫の
過分泌が起こり、痰が多くなります。


また、コリン作動性の迷走神経から放出
されるアセチルコリンは気道平滑筋の
ムスカリン受容体を刺激します。


これにより気道平滑筋を収縮させます。


●炎症性細胞の浸潤

●壁の線維化

●平滑筋の肥大




■COPDはなぜ苦しいのか?


軟骨の退行性変化など気道の変形や狭窄が
おこるのもCOPDの特徴です。


気道が狭くなっている所に痰が増えるので
すから苦しいわけですね。


COPDの患者さんの「肺胞」では様々な
「肺気腫」が見られます。


気腫は肺胞が破壊されることによって
起こるものですが、エラスチンの破壊、
肺胞形成する上皮細胞や血管内皮細胞の
アポトーシス、細胞そのものの老化など
が関与すると考えられています。


気腫化部分は周囲気道を圧迫するとともに、
肺実質の弾性低下自体の肺胞気の排出を
遅らせる原因となり、そのような複合的な
要因によって、気流閉塞が起こります。


こちらは実際にCOPDの患者さんの気流閉塞
の様子を撮影した高速CT動画像です。


ここからどのようなことが
言えるのでしょうか?。


周囲の気腫化病変があるために息を吐く時
に気道がつぶれています。


息を吐く時の軌道抵抗が上昇し、
息を吐きにくくなっている状態です。


そのことは臨床的にはどのような
特徴をもたらしますか?。


息を吐く時間を確保しないと、
息を十分に履けませんから、
ちょっと早い呼吸になったりすると
過膨張になります。


この動的な過膨張は、
労作時の息切れを強くします。


これが患者さんの息苦しさの
症状につながるのですね。




■COPDが重症化すると?


また、一方でCOPDの患者さんの気道には
多数の「マクロファージ」と「好中球」、
「Tリンパ球」などの浸潤が起こります。


病気の重症化により炎症の程度が強くなり、
気道壁のリモデリングが進むと
考えられています。


つまり進行するにつれ、気道が肥厚し、
ベースラインでの気道閉塞も進みます。


COPDが重症になった場合、
肺血管の炎症性変化や低酸素血症などに
よって肺高血圧症や右心負荷が引き起こ
されるときもあります。


COPDは全身疾患としてもとらえられ、
動脈硬化や骨粗しょう症などの様々な
全身併存症が認められることが多く、


これらには「全身性炎症」の寛容が
あることが想定されています。




■COPDの治療について


患者さんの生活の支障となる
COPDの苦しい症状を抑え、増悪を防ぐため
には禁煙はもちろん、早期から薬物治療を
開始することが重要です。


薬物使用の中心は気管支拡張薬であり、
患者さんの重症度に応じて段階的に
薬剤を併用してきますが...


COPD診断と治療のためのガイドライン
第3番では、長時間作用性抗コリン薬が
安定期のCOPD患者において定期的な使用で
最初に使用する薬剤として推奨されてます。


COPDは、不可逆性(進行性)の疾患であり、
時間の経過とともに、患者さんの日常生活
の支障度が高くなる病気です。


患者さんのQOLをより高く保つためにも
COPDのつらい症状を緩和し


増悪の進展を防ぐために、
早期からの治療介入が必要なんですね。